ファミリーネットくんHOME > 料理・生活TOP > ゴハン 夏野菜シリーズ第2話

食べてはならぬ 「キュウリ」 今“旬”真っ盛りの「キュウリ」。江戸時代では庶民が味わえない食材だった!?そんな驚きのキュウリの秘密に迫ります!

まさに“旬”真っ盛りの「キュウリ」。よく冷やして味噌で味わう醍醐味こそ真夏の美味しさですよね。そんなキュウリですが、実は江戸時代では庶民が味わってはいけない食材の一つだったのです。キュウリの断面を気にして見たことはありますか? なんかの模様に似ていませんか? そうです。徳川将軍家の御紋“三つ葉葵”に似ているのです。このことから、江戸時代では徳川家の家来である旗本大名をはじめ御家人らはキュウリを食するのを避けており、当然ながら庶民が口にするのを禁止していました。それだけ徳川家の威厳がすごかったことが伺えますよね。

そもそもキュウリとは、カボチャ、メロン、スイカと同じ「ウリ科」の植物で、ネパールを中心とするヒマラヤ山系南部が原産地とされています。キュウリの語源は、「胡瓜:胡=ペルシャ・西方の国」から来た“ウリ”という意味。日本への伝来時期とか不明点が多々ありますが、平城宮址などからキュウリの“種”が出土していることから、奈良時代には伝来していたことが確認されています。

真夏にこそキュウリを食べる「意味」とは?

それにしても、なぜ真夏にキュウリを食べるのでしょうか?疑問を感じたことはありませんか? 安くて美味しいから食べる。ただそれだけですか? 実は、キュウリには隠れた能力があるのです。

真夏のヒトの体温は、通常より高く、ホテッたカラダになりがちです。だからこそ冷たい水分をとり、オシッコをすることで体温を下げようとしますね。この生理機能を促進してくれる栄養素が「カリウム」といい、キュウリには他の野菜より豊富に含まれているのです。だから、真夏にキュウリを食べるとカラダに優しいといわれるのです。

このように、すごく身近な食材にも「歴史」があり、季節のなかで「食べる意味」があるのです。一年中ある食材だから全て同じではなく、「旬」には「旬」の役割が食材にはあることを、日常の生活で感じて欲しいものです。

キュウリ断面
「葵の御紋」この切り口を見ればわかるように、まさに「葵の御紋」そっくりですね。
しかも大小を問わず、どの品種でも同じ模様が現れます。
これでは江戸時代に食べるのは勇気がいることでしょう。
加賀太キュウリ・もろキュウリ・四川キュウリ
右の太いキュウリは、加賀の郷土野菜で加賀太キュウリ。
肉厚で甘みが強いのが特徴ですが、皮が厚いので皮を剥いて食べることをお勧めします。
中央の小さいのはもろキュウリ。若いうちに摘み取るため、カリカリした歯ごたえが特徴です。
左が四川キュウリ。もっとも原種に近いキュウリです。
新鮮で元気なキュウリほどトゲがある
新鮮で元気なキュウリほどトゲがあり、表面が白っぽくなっています。トゲは虫や鳥から身を守るためのもの。
白っぽい粉のようなものは、ウイルスや病気から身を守るための成分で、農薬ではありません。
ちなみに、暑い地域が原産であるキュウリは冷気に弱いため、冷蔵庫で保存する際は新聞紙で包んでポリ袋に入れましょう。
プロフィール

松本栄文 (まつもと さかふみ) 松本栄文(まつもと さかふみ)

日本料理BAR“花冠”料理長
若干24歳で花冠料理長に就任した、『料理界の神童』『カリスマシェフ』。
1981年東京生まれ。
町田調理師専門学校高等課程卒業
東京農業大学短期栄養学科を経て、同大国際食料情報学部卒業

現在、料理長を務める傍ら、東京農業大学研究員、食の専門校L’ecoleVANTAN講師の他、調理師・栄養士専門学校で「食品学」を通じた食の専門家教育にあたっている。

カルチャースクールに松本栄文さんの講座が登場!

「松本栄文さんに会いたい!」「話を聴きたい!」という方、あるいは「食材に詳しくなりたい!」「いろいろ食べてみたい!」という方にオススメ!例えば、10種類のリンゴを食べ比べたりする講座は、魅力的な話術とあいまって、まるで「食のエンターテイメント」!ぜひ、ご参加ください。

くわしくはコチラ

五感で学ぶ食品学(カルチャースクール東急セミナーBE)

五感で学ぶ食品学(目黒学園カルチャースクール)