ファミリーネットくんHOME > 料理・生活TOP > ゴハン 夏野菜シリーズ第1話
ここ数年で注目されだした「フルーツトマト」。まさにフルーツのような甘さは、トマト嫌いのお子さんでも喜んで食べるほどです。いわゆる「普通のトマト」とは比べものにならない甘さを味わって、これは「フルーツトマト」という新しい品種なのだと思っている方が多いと思います。
ところが、品種としてはこれまでと変わらない「普通のトマト」なんです。
「桃太郎」という一般的な品種です。では、なぜこれほど甘いのか? それは、栽培方法に秘密があります。
そもそもトマトの原産地は、アンデス山脈の高地。そこは、きわめて乾燥した砂利地です。これに近い環境で栽培すれば、トマト本来の個性つまり「甘さ」が強く現れることが、10年ほど前に発見されました。具体的には、水分をギリギリまで与えずに栽培するのです。トマトの細胞内を「水不足」の状態にすると、トマト本来の生命力に火がつき、限られた水分を保とうとします。糖分を大量に作りだし、糖の保水力によって水分が失われることを防ぐわけです。その結果、トマトの糖度がきわめて高くなり、フルーツのような濃厚な甘さが生まれ、「フルーツトマト」と呼ばれるようになりました。
また、フルーツトマトには、ビタミンCやビタミンAが「普通のトマト」の何倍も含まれていますが、これも糖度が高くなった結果です。このように、甘くてビタミンも豊富なフルーツトマトが生まれたのは、トマトが「身を守ろうとする」はたらきの結果なのです。同じトマトが、育つ環境の違いによってこれほど変わるとは、トマトの生命力の神秘といえるかもしれません。
「逆境を糧にする」力を人間も見習いたいものです。

- 右が普通のトマト。左のやや小ぶりで真っ赤な方がフルーツトマト。
普通のトマトは、完熟になってから収穫すると、柔らかくつぶれやすいため、青みの残る完熟前に収穫します。フルーツトマトは成長が遅い分、果肉が硬く詰まり、完熟してから収穫ができるため、真っ赤な色が特徴です。 
- 成長が遅いフルーツトマトは糖度が凝縮しているため、星印のような放射状の模様が現れます。
これが甘さの目印です。 
- 普通のトマトは水に浮かびます。
フルーツトマトは養分が濃縮して詰まっているため、小ぶりでも重く、水に沈みます。

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松本栄文(まつもと さかふみ)日本料理BAR“花冠”料理長
若干24歳で花冠料理長に就任した、『料理界の神童』『カリスマシェフ』。
1981年東京生まれ。
町田調理師専門学校高等課程卒業
東京農業大学短期栄養学科を経て、同大国際食料情報学部卒業現在、料理長を務める傍ら、東京農業大学研究員、食の専門校L’ecoleVANTAN講師の他、調理師・栄養士専門学校で「食品学」を通じた食の専門家教育にあたっている。
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