
小説を書く楽しさとは
三船 作文や読書感想文と違って、バンバン空想して書けるから小説を書くことは、とても楽しい作業なんだけど、中石くんはどう?
中石 小説は「書こう」と思って書いているのではなく、普段思いついたことを積み上げてひとつの物語にするという感じ。いくつものパーツを組み合わせていくようで楽しい。人に課題を与えられてやるのではなく、全部自分でできるところがおもしろい。
三船 やっぱり小説は自由度が高いよね。『陽射し』の前はどういうのを書いていたの?
中石 『陽射し』は2作目で、その前に書いたものは、正直自分では失敗作だと思ってる。
三船 失敗作!? 最後までは書いたの?
中石 まぁ、一応。国語の授業で書いたんだけど。
三船 それはネコが舳先に乗ってる写真とか、野原の写真とか見て創作する…。
中石 そう、それ!
三船 僕と同じ教科書だ。どの写真から話をふくらませた?
中石 いや、それが最初は写真を見て想像して書いてたんだけど、だんだん写真から逸れていっちゃって…。
三船 そうなんだ。でも逸れていくのも小説の自由さなんだよね。
書く時に心がけていたこと
三船 自分が読んでおもしろくないものは、他の人が読んでもおもしろくないと思う。だから自分でも飽きないように、僕はいつもテンポよく書こうとしてるんだ。
中石 そういうところが三船くんの小説の「軽妙」さにつながっていくんだろうな〜。
三船 『12歳の空』に入ってる新作2作は、テンポよくに加えて、途中で“ズブッと深く”を心がけて書いてた。ただ、あんまりズブーっと長く潜っているとテンポが悪くなるので、そこはバランスを考えて。読んでいる途中で飽きられるとおしまいだから。とにかく読んでる人を飽きさせたくないという気持ちが強い。中石くんは?
中石 「最後の最後はあきらめなきゃいけない」ってことを心がけてた。小説って自由だけど、どうしても省かなければいけないところはあるわけだから。締め切りもあったし。
三船 妥協ということ?
中石 いや〜妥協というよりは「あきらめ」です(笑い)。僕は手書きだけど、パソコンだとそういう点いいかもね。省いたあとも簡単に書き足せるから。
三船 僕はパソコンで書いているんだけど、この部分はこっちの方がいいかな〜という時、やっぱり便利で簡単って思う。
中石 手書きだから、実は書き直しは面倒っていうのもあったんだ(笑い)。

三船 でも思いついたことは手書きがいいよね。あふれてきた言葉をいちいちローマ字入力で打ってると、言葉が止まってしまうような気がして。その辺にある紙にパパッとメモするようにしてる。
中石 うん。でもメモしようかなと思っても、それも面倒くさくて。覚えていようとしても、時々忘れちゃったりすることがあるんだ。
三船 しばらくは手書きでいく? それともパソコンに変える?
中石 う〜ん、手書きだと不便なことがあるからなぁ。
三船 僕はパソコンで書いても、必ず印字して確認するようにしている。画面で見る文章とはやっぱり違うから。
中石 そうだよね。
三船 次、何書くとか決まっているの?
中石 細かいところは決まってないけど。次は明るい話を書いてみようかな〜と。「小さな太宰治が頭の中にいる」って言われたので(笑い)。
三船 西原先生の言葉だね(※)。僕は“ハヤ”の話は、『12歳の空』でいったん終わったので、次のはまだ考え中。
中石 30年後のハヤたちの物語も読んでみたいな。
三船 中年になった3人の物語!? うん、おもしろいかも。
※『12歳の文学 第三集』収録の「選評」で、審査員の西原理恵子先生が中石くんの『陽射し』について、「今、ちっさい太宰治が頭の中に住んでいるでしょ」と評した。
書くこと、これからのこと
三船 学校では僕を含め3人で、リレー小説をやっているんだ。リレー小説だと休む時間もあるので、その間にいいアイデアも浮かんでひとりで書くのとは違う楽しさがある。ストーリーに新たな発展が生まれてくるし。
中石 僕はできれば全部ひとりで書きたいので、リレー小説は書けないなぁ(笑い)。自分がこう書いたら、次はこう書いてほしいと考えちゃうんで。展開が全然違ったら、今まで考えていたことがなかったことになりそう。
三船 僕らは先に全体のストーリーをだいたい決めてから書き始めるので、まったく展開が違っていくことにはならないよ。
中石 へ〜。そういうのだったらやってもいいなぁ。
三船 楽しいからぜひ、やってみて! ひとりで書くのも、友達と書くのも、書くことって本当に楽しいから、どんな形にしても中学校に入ってからもずーっと書き続けていきたいと思っている。
中石 うん、僕も。三船くんと僕は作風が違うから、今後お互いどんなふうに変わっていくのかな〜というのが楽しみ。
三船 そうだね。お互い刺激し合えるような存在でいたいね!!
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